鉄筋コンクリート造建築物の中性化を考慮した耐久設計法で日本建築学会賞を受賞

サステナビリティ

5月29日、2026年日本建築学会賞の表彰式が開催され、大林組が開発した「既存鉄筋コンクリート造建築物の中性化深さを考慮に入れた耐久設計法」が、日本建築学会賞(技術部門)を受賞しました。日本建築学会賞は、建築に関する学術・技術・芸術の進歩に寄与する優れた作品、技術、業績などを表彰するものです。

従来の中性化進行予測に基づく耐用年数評価に加え、鉄筋腐食が限界値に達するまでの期間を予測します
2007年に改修したルポンドシエルビルでは、本設計法の活用により、調査時点において今後の耐用年数100年超を確認

従来、鉄筋コンクリート(RC)造建築物の耐用年数を評価する際には、コンクリートの中性化(※1)の進行が主な指標として用いられています。コンクリートの中性化は、コンクリート内部の鉄筋腐食の開始時期を左右する重要な要因であり、耐久性評価において欠かせない尺度と考えられています。

今回受賞した耐久設計法は、コンクリートの中性化の進行に加えて、その後の鉄筋腐食の進行を予測することで、既存のRC造建築物の耐用年数を推定します。これにより、既存建築物の再利用に伴う適切な改修を可能にするほか、歴史的建築物などの延命期間の評価も可能となります。

今後、建築需要は新築・建て替えから既存建築物の再利用へとシフトすることが予想されます。また、建築の設計・施工におけるホールライフカーボン(※2)削減の観点からも、既存建築物の再利用や新築・改修における耐久設計のさらなる発展が期待され、今回の受賞に至りました。

大林組はこれからも、建物の長寿命化や環境負荷の低減に考慮して建設事業を進めていくとともに、社会のニーズに応える新たな技術の開発に努めてまいります。

  • ※1 コンクリートの中性化
    製造直後には強いアルカリ性を有しているコンクリートが、時間の経過とともに空気中の二酸化炭素(CO2)の影響で中性に近づく現象。中性化したコンクリートの中では鉄筋が腐食しやすくなり、その結果、コンクリートにひび割れが生じるなど、建物の寿命に影響を及ぼす
  • ※2 ホールライフカーボン
    建設資材の製造・輸送を含む施工、運用、解体・廃棄に至るまでの、建設物のライフサイクル全体で発生するCO2排出量