山岳トンネルの覆工コンクリート作業を自動化し省人化を実現

2つの自動化システムの適用により作業員数を半減します

技術・ソリューション

大林組は、東日本高速道路発注の磐越自動車道・宝珠山トンネルの建設において、「セントル全自動セットシステム」と「覆工コンクリート自動打設締固めシステム」を適用し、山岳トンネルの覆工コンクリート作業の自動化を推進しました。これにより、従来5~6人を要していた施工を、3人で実施することを可能にしました。

覆工コンクリート打設状況の全景

山岳トンネルの覆工は、トンネル構造の安定性や利用者の安全性を確保することを目的としたアーチ状構造物で、一般的に現場打ちのコンクリートが用いられます。施工は通常5~6人で実施し、セントルと呼ばれる移動式型枠を所定の位置に据え付けるセット作業とコンクリートの打設作業を交互に繰り返します。そのため、覆工作業全体の省人化を図るには、セット作業と打設作業の双方の省力化・省人化が不可欠でした。

今回、宝珠山トンネルでは、「セントル全自動セットシステム」と「覆工コンクリート自動打設締固めシステム」の両システムを導入することで、覆工作業全体の省人化を実現しました。詳細は以下のとおりです。

セントル全自動セットシステム

一回のボタン操作により、セントルを所定の正しい位置に自動で移動、据え付けます。システムの操作・監視は技能労働者1人で実施可能です。システムを導入することにより脱型からセットまでの一連の作業を技能労働者3人で実施できるようになりました。

セントル全自動セットシステムの概要

覆工コンクリート自動打設締固めシステム

鋼製配管の切り替え作業を不要とし、コンクリートの打ち込みや型枠バイブレータの作動などを自動制御します。打設・締め固め作業は、ボタン操作と監視を行う技能労働者2人で対応可能です。システムの導入により、打設準備から打設、片付けまでの一連の作業が、技能労働者3人で実施できるようになりました。

覆工コンクリート自動打設締固めシステムの概要

システム導入による効果

省人化に加えて、以下のような効果が期待されます。

  • 狭い空間での人力作業を削減し、安全性が向上
  • 出来形計測・挙動監視機能により出来形不具合の発生を防止
  • 鋼製配管切り替え作業が不要となり、打設中断に伴うコールドジョイント発生リスクを低減
  • 打ち込み高さや型枠バイブレータの振動時間の自動制御により覆工品質を確保

「セントル全自動セットシステム」「覆工コンクリート自動打設締固めシステム」により、セントルセットからコンクリートの打設・締め固めまでを自動化することで覆工作業全体の省人化を実現するだけでなく、技能労働者の熟練度に依存しない覆工コンクリートの品質確保にも寄与します。

大林組は今後も、トンネル工事の生産性向上と品質確保を両立させ、安全・安心なインフラ整備に貢献していきます。